2019年度の総括

#1 2019年度の総括報告

#2 2020年度の開校について

#3 4月の課題曲・チャントついて

#4 Phonicsついて



#1 2019年度の総括報告
別途お渡ししている修了式風に編集したビデオクリップの最後でもお伝えさせていただいた内容と重複しますが、英語とテニスの二つに分けて成果の報告をさせていただきます。

  • 英語について

  • 子供たちがあそこまで自信を持って、大きな声で、はっきりとした口調で英語のスピーチをしましたが、その事実がまさに物語っているように、英語に関しては、当初の私の想定よりも早いペースで上達が見られていると考えます。私の英語関係の友人(ネイティブ含む)にも、子供たちのスピーチ動画を見てもらいましたが、上記のように誰もが前向きな評価をしていただきました。

    保護者様の中には、もしかしたら今回の成果に関して少し違った見方をされている方もいるかもしれません。つまり、台本があって、Mr.Kei先生のお手本練習用動画もあって、何とかあそこまで出来たので、本来の実力を反映していないのでは、と思われる方もいるかと存じます。確かにそれはそうなのかもしれません。しかし、私自身は、今回のこの「作られた完成度」を実に楽観的に、そしてただただ素晴らしいと評価しております。というのは、2月9日のレッスンレポート(英語学習とは、英語表現に関し得意なカテゴリーを増やしていくことの繰り返し)や、3月15日のレッスンレポート(オウム返しの技術)で触れているように、ノンネイティブである私たちにとっての効果的な英語学習方法とは、英語話者を真似ること、フレーズを暗記すること、得意な表現・決まりきった言い方をまずは自分のものにし、その周りに色々と足していくこと、という風に私は自身の経験から確信しており、端的に言うと英語は「暗記」や「模倣」から入るということです。私も大学生時代の英語習得に躍起になっている頃は、本当にこんな勉強の仕方(模倣・暗記)で将来応用が利く英語話者になれるのかと少し疑問を感じることもありましたが、今ではその時の定型的に覚えた部分が私の英語表現を底からしっかりと支えてくれています。なので、是非安心してこのままの方針で英語学習を続けていきましょう。

  • テニスについて

  • テニスについては、英語と比較して、その成果を目に見える形で確認するにはまだ時間を要し、引き続き地道な練習を継続していく必要があるという風に見ております。そもそもテニスというスポーツの奥深さ というブログの中で、テニスとは実に難しいスポーツでその習得までに比較的時間が掛かり、学齢と共にテニスとの向き合い方も段階的に進化していくスポーツであるとしていますが、まさにこの通りで、未就学児とお兄ちゃんたちの現在直面している課題には大きな開きがあり、英語以上にテニスの指導には神経を使うべき、という考え方を持つに至ってます。引き続き親御さんにも球出し等でサポートを頂きながら、学齢に合わせたグループ別指導を継続し、個人レベルでの発達領域を少しでも加速して伸ばしていけるように工夫をしていきます。

    余談です。少し極端な例かもしれませんが、世界を見回すと 参考動画のレベルまで習熟している子もいるようです。また、この 参考動画は、日本のある男の子の4歳から8歳までのテニスの成長の過程を定点観測して纏めているものですが、私はとても素敵だなと思っております。当スクールもこの日本人の男の子のような成長曲線を目指していきます。ちなみに、SECG本校(稲木)ですが、現在の選手育成クラスには全国レベルの選手が複数在籍しており、球出しのレベルとしてはこの参考動画のレベルまで達しております。

    総括の締めくくりとして、やはり保護者の皆様へ感謝を伝えさせていただきたく存じます。 私の持論ですが、幼児期の英語学習においては、保護者のサポートが何よりも一番大切であると信じています。そしてその次に指導者が大切だと思います。多くの英語学習教室は、指導者やカリキュラム・メソッドが大切と考えていると思いますが、私は保護者のサポートが何よりも大切だと考えています。これを裏付ける一番分かりやすいロジックとしては、幼児期の子供は何故英語を勉強するべきかのその意味を腹落ちして理解することができず、英語学習に対してモチベーションを維持することが難しいこと、また、日本語もまだ盤石になっていない中で、第二言語を習得していくという過程は実に難易度が高いこと、そんな逆境の中でも英語学習をしっかりと続けていくには、その子供にとって最も影響力(学習理論の用語を借りると勢力資源)が高い保護者が常にその傍で寄り添って、励まし、一緒に頑張ろうという姿勢を見せることが不可欠と考えるからです。国際的な競争力やそういった事情、第二言語の臨界期(英語(特に発音を)を学ぶのに最も学習効果が高いとされる学齢期、またその効用が低下し始める限界点となる時期)という観点からも、どうやら幼児期から英語を学ぶことは肝心になっているようで、私としても、これからの世代を生きる子供たちにとってはこの波には遅れることは得策ではないだろうと感じております。この事実(あくまでも仮定)を認めた上で、子供の英語教育を、例えば週一回の英語レッスンに通わせ、親としては、子供がどんな英語レッスンを受けているかを我関せずで、とりあえずネイティブの先生に一任するというのは、私としては責任転嫁に近いニュアンスを覚え、子供が英語嫌いになったとしても、親としては掛ける言葉が無いのではと存じます。

    話を戻しますが、現在のSECG八王子校は、何よりも親御さんの、子供の成長のことだけを願う慈悲深いサポートが本当に素晴らしく、当の私も二人の子供を持ついち父親として、暫くは子供の学習プロセスに、一番の理解者として責任を持って関わっていきたいと、その覚悟を改め強くさせられました。振り返ってみれば、去年の11月からレッスンを進めてきているわけですが、毎回、2時間という尺のほとんどをMr.Kei先生と子供のコミュニケーションに当てさせていただき、子供を意識しない形で保護者様とだけコミュニケーションをした時間はほとんどなかったのではと存じます。その分、指導者として、毎回の指導報告書はそれなりに詳細に纏めさせていただき、保護者様にその指導報告書を真剣にご確認いただき、それ故、実際にはあまりコミュニケーションをしていないにも関わらず、保護者様との間には強い連帯感・信頼感を感じるようになり、ここまでは、とてもスムーズにレッスンを進められてきております。この点本当に感謝をしてやまないですし、皆様の支えやご協力・ご理解がなかったら、現在のSECG八王子校は存在していないと明白に断言できます。子供の様子や心境の変化を一番理解しているのは、学校の先生でも、幼稚園・保育園の先生でも、習い事の先生でも、Mr.Kei先生でもなく、保護者の皆様であります。こういった気持ちから、2020年度は保護者様との意見交換をより一層重視し、私も日々成長させていただき、子供の成長にとって何が一番良いのかを柔軟に考え、指導を実践していきます。

    #2 2020年度の開校について
    新型コロナウィルスが日に日にその深刻さを増していく状況を鑑みると、少なくとも4月の開校は色々な意味で難しいのではと存じます。本来なら3月29日の修了式も行う予定でいましたが、3月27日(金)の小池都知事の会見を受けて、その週末の自粛ムードが最大限に高まり、多くの方が週末の予定変更・キャンセルを余儀なくされました。小池都知事を悪く言う意味合いは決してはなく、未曽有の異常事態のなかで間際での対応は致し方無く、当然とも思います。また、英語やスポーツの学習というのは、長い目で見て行うべきで、例えば「この4月に開校できないと、学習効果が薄れて一巻の終わりだ」みたいなものでは決してありません。従い、私としては、何が何でも開校を続けるということに対し、そこまで拘りを持っておりません。従って、この4月前半は休校ということで決定をさせていただきたく存じます。この点、ご理解をいただけますと幸いです。

    #3 4月の課題曲・チャントついて
    さて、そんな状況の中、創意工夫をして、如何にしなやかに対応をしていくかが、試されているのだと思います。もし可能であれば、ご自宅で保護者様がサポートいただく形で、英語学習に関しては継続していただければ幸いです。4月の英語テーマ・トピックは、日常会話・自己紹介・親・兄弟姉妹・親族ですので、それに合うように課題曲・チャント を選定しましたので、無理のない範囲で、ご家庭で楽しく閲覧いただければと存じます。

    また、今回英語スピーチを何とか形にできたことで、子供たち自身が大いに自信を深められたのではと思います。学習効果としても、それなりに緊張感を持って、定期的に発表の機会を設けるというのは大切であると、私自身も改めて感じました。そこで、次の英語スピーチとしては、「Show & Tell」を行いたいと思っています。これは文字通り、何か物理的なモノを持って、それについて紹介をする、という発表のことで、ネイティブの小学生・未就学児も大いに取り入れている学習・発表手法です(参考URL① 参考URL②)。文部科学省の最新の学習指導要領の中でも、小学校中学年を対象に必修化された外国語活動の中で、「聞くこと・話すこと」に重きが置かれており、「話すこと」に関しては、「やり取り」と「発表」の2つに整理され、この「Show & Tell」は「発表」に該当します。子供たちにはこの後自分が好きなことについて「Show & Tell」の練習をしてもらうにあたり、私の方でひとまず原稿を用意しますので、準備ができ次第、お手本動画と共に個別に送らせていただきます。

    #4 Phonicsの学習ついて
    ある保護者様から「Phonics」の学習について、どのような教材が良いか、という質問をいただきましたので、まず教材について考える前に、「Phonics」の効果的な導入時期や、そもそも「Phonics」とは何かについて、私の現時点での考えをお伝えさせていただきます。結論から言うと、未就学児や小学校の段階では、私たちノンネイティブの英語学習という文脈で考えると、この「Phonics」を特別に取り上げて、理論的に意識して学習する必要はそこまでないのではないかと考えています。確かに私は、以前Phonicsの習得が遅れたために自身が苦労した話というブログの中で、「Phonics」を学ぶことの大切さについて言及をしていますが、理論的に「Phonics」を学ぶという意味では、ある程度の論理力がついてくる中学生や高校生以降で良いと思っており、幼児期における「Phonics」への親しみ・理解という意味では、もっと簡単に考えて良いと思っております。つまりは、英語特有の発音があり、それは日本語の口の動かし方や、息の吐き方などと全く違っており、ひとまずはYoutubeでの英語素材・動画や、ネイティブの先生を真似て発音をしようとすることで十分であるといった感じです。逆に言えば、下記写真にある「racket」は、発音記号上では「rˈækɪt」と表記され、 それぞれの発音「r」「æ」「k」「ɪ」「t」は例えばこの参考URL先で説明されているように発音される、といったことを一対一で紐づけて覚える必要はないと思っております。そうすることは幼児期や小学生には「too much」であるからです。もちろん、指導者や中学生以降で論理的思考力が伴ってきた段階においては、この「Phonics」を理論的に理解し、発音記号をしっかりと頭にいれることは大切だと考えております。また、上記参考URLで紹介している、Atsuさんも発音記号を覚えて正しく発音をしていくことは大切と言われています。保護者の皆様で「Phonics」とは何かをそれなりに理解しておくことは、子供の英語学習をサポートをする上で有益でして、私が「Phonics」を勉強させていただいてるYoutubeチャンネルをいくつか紹介させていただきますので、保護者の皆様で興味がある方はご覧いただけますと幸いです。

    Phonics TV – 英語の発音をフォニックスで学ぼう

    10分英会話 with Reiko l 10 Minutes English

    アイウエオフォニックス

    現在日本の英語学習業界でこの「Phonics」が幼少期の英語学習においても流行りになっており、その一番の好例としては、例えば「cat」を「c」「a」「t」のそれぞれの音節に分解して、それぞれ一つずつでは、「k(=クッ)」「æ(=ェアッ)」「t(=トゥ)」と発音されるものだから、この3つが重なってになって、「cat(クェアットゥ)」という風になるという理論 (参考URL)にて、指導をしているスクールも多いかと存じます。実際にはその通りなんでしょうが、ただ私は、英語を第二言語として学ぶ小学生、ましてや未就学児に対して、このように理論じみて教える必要はあまりない(だってそれはあまり楽しくないでしょうから)、という風に考えており、もっとシンプルに考えて、自分が良く使う単語や表現は英語っぽく発音するとどうなるかを、耳で聞いてただひたすらそれを真似れば良いと思っています。この点に関連しますが、文部科学省の平成29年度告示の最新の学習指導要領の「外国語活動(中学年)」、並びに教科「外国語科(高学年)」中では、「Phonics」という表現は一か所も使われておらず、替わりに「外国語との音声の違い等に気付き、日本語とは違う外国語のリズムや発音などをより楽しむ」といった風にライトに目標設定されていますが、中学生に上がる前までの段階では、私もこのくらいの感じで良いと思っています。ちなみに、文部科学省の平成29年度告示の中学校の学習指導要領「外国語編」の中では、やはり「Phonics」という言葉は用いずとも、「現代の標準的な発音」という風に言い換えて、「母音や子音」という単語も使いながら、より理論的に「Phonics」や「発音」を指導しようとする考えが見られます。これについても私は同意し、中学生くらいからであれば、そういった学習のし方を受け入れる素地がそれなりに出来上がっているであろうと考えます。

    さて、こういった信念のもとに、幼少期における「Phonics」のおすすめの教材はあるかという問いに対して、敢えて答えるのであれば、是非ネイティブの正しい発音が確認できる音声付き教材を購入されることをお勧めします。その意味ではYoutubeでも全く問題なく、むしろYoutubeのようなデジタル媒体は編集者が時間を掛けて、分かりやすいように仕上げていることから、アナログ媒体である書籍・教材よりも優れている部分が多いかと思います。しかし、アナログ媒体も、より体験的に学習できるという意味で強みがあり、自身の第一子も4歳くらいまでは、アンパンパマン図鑑という市販のものを使って、タッチペンで正しいネイティブの発音をリピートすることを経てきました。現在、2歳になる第二子がその過程に入りつつありますが、特に未就学児の場合は、デジタルよりもアナログ媒体の方が、とっかかりやすいというのは明白で、どうかその際は、音声が確認できるものを重要な要素として選んでいただければと存じます。