2020年6月7日のレッスンレポート

2020年6月22日現在
日時2020年6月7日(日)
場所滝ガ原運動場テニスコート(ハード)1面
参加者セッション(i) 14:45 -15:45 4名
セッション(ii) 15:45 -16:45 4名

レッスン内容(時系列)↓↓

#1 開始の挨拶

#2 ストローク練習

#3 ボール投げの練習

#4 サーブの練習

#5 ゲーム練習

#6 クロージング



#1開始の挨拶
まずはこの度指導者として、実際に生徒をF2F(Face to Face)で対面して、指導にあたれることの喜びをこの日以上に強く感じること(感激すること)はこれまでにございませんでした。まさか、3月15日のレッスンを最後に、「See you next week.」とお別れした生徒たちと、6月7日までの12週間(84日間)を、F2Fでコミュニケーションできなくなるなんて想像もしていなかったからです。当スクールは、現状の生徒の学齢や発達段階を踏まえると、やはりF2Fで指導していくことが大切で、このご時世でもなんとか継続していけるよう、稲木本校が掲げているコロナ対策を徹底しながら進んで参ります。

まず驚いたことは、やはり子供の順応性・力の高さです。これは大人の常識を超えていると思います。最初こそ少し恥じらいを感じながら、Mr.K先生との距離感を探ろうとする場面もありましたが、気づいたら84日間のブランクを感じさせないような、いつものそれまでの自然なコミュニケーションになっていました。3月までは地面に座ってコミュニケーションを取っていましたが、地面が太陽で熱を帯びていましたので、今回からはベンチに座る形で運用し、そこに変化があったはずなのに、それもそこまで気にせず、素直に順応してくれました。こういう一つ一つに変化に子供が自発的に順応をしてくれると私としては、その分ロスタイムが少なくなるので、より一層レッスンに専念できます。

ここからが本題ですが、 This is the way greeting の歌を初めて導入しながら、 今年3月まで親しんできたHello songも併用し、長らくの止まっていた時計の針を少しずつ戻していくコミュニケーションを開始していきました。(本題短!!)

#2 ストロークの練習
未就学児とお兄ちゃん達グループに分けて、難易度に配慮をしながら、球出しにてストロークの練習をしました。風はそこまで強くなかったのですが、久しぶりのテニスということもあって、生徒によっては、84日前のパフォーマンスよりも少し下がっている感じも受けましたが、それは全く以て仕方ないことです。というのも、テニスの動作・ラケット競技といのは、普段生活をする上で全く意識をしない動作であり、手のひらの60cm先の空間認識力はテニスのようなラケット競技をしていない限り、磨かれることはないからです。私自身としては、以前のブログ 運動神経は遺伝?それとも学習で向上するの? でも記載した通り、「ピグマリオン効果」を信じて、指導にあたっていくのみです。例えその生徒が諦めたとしても、私は絶対に諦めないです。親御さんもきっとそうですよね。

#3 ボール投げの練習
ボール投げの動作はテニスの技術に通じるものがある、と前々からお伝えしてきております。その意味としては特にボールを肩越しに上投げするフォームが、テニスのサーブに似ているという文脈でお伝えしてきました。今回はテニスの基幹技術であるストロークでさえも、ボール投げから学ぶものが多いということをお伝えし、八王子市ならではの広いコートでフェンスに向かって横投げでボールをthrowしました。 参考動画

#4 サーブの練習
私のレッスンプランに関する基本的な考え方は、指導者として中長期でそういったものを計画的に設計し(それは一般的にカリキュラムと言われます)、それに向かって毎回の具体的に落とし込んだレッスンプランを以て、日々前進をしていくものと考えますが、このレッスンプランに関し、効果を最大限追及するという意味で、それはその時の状況(生徒のメンタル面・体力面・天候などの状況)に応じて柔軟に変えていくべきと考えております。今回84日ぶりの再会で、前半は恐らく気温23度前後の中、途中に休憩を挟むことをしながらも、基本ひたすらストローク練習に励んだ生徒たちを見て「良く頑張っている」という考えを持つに至っていました。これは小学生のお兄ちゃんはともかく、未就学児の二人にとっては、実はとても勇敢で称賛に値することだと感心したわけです。従って、一時間が経ったこのタイミングで私は子供たちに「残りの時間は何をしたいか」の意見を求めました。そこで「全員でゲームをやりたい」といったような回答が得られたので、これまでの学齢別指導ではなく、全員でやることを重視し、サーブの的入れゲームをすることにしました。子供たち自身が「全員で何かをやりたい」と思い始めているところに、学齢の違いこそあるものの、なんとかこの縦割りで同じ2時間の尺でみんなで挑戦するという現状の運用にしたことが、間違っていなかったと思わされます。テニスは大変難しいスポーツです。まして、この生徒たちはそれを“どうせだったら”英語で学ぼうと志しています。そういった果敢な挑戦を繰り広げる生徒たちにとって、一番の励みになるのは”同志”であり“戦友”です。子供たちはこのゲームでも100秒以内に12球を入れるという自分たちが立てた目標(=objective)を13球いれることで、文字通り達成しました。

#5 ゲーム練習

今回はコートを半分に仕切り、保護者の方にも台になっていただくことで、同時に2試合展開でゲーム練習を行いました。生徒たちはそれなりに楽しんでいるように見受けられ、それが一番大切なことですが、敢えて厳しい言い方をすると、ゲームの質としてはもっともっ成長の余地があります。2019年度の総括というレポートの冒頭でもお伝えしましたが、時にその標準を外に、グローバルに広げ、客観的に捉えていくことが大切です。参考動画(A)参考動画(B)
ご自宅やちょっとしたスペースがあればできる練習に素振りがあります参考動画(C) 。良ければ続けてみてください。

#6 クロージング
今日はどんなレッスンをしたかを、子供に確認する形で一緒に振り返りました。 その後はDays of the weekに合わせて「さようなら」を言いました。

歌詞/Lyrics

Sunday lalala Monday lalala Tuesday lalala Wednesday, Thursday lalala Friday lalala Saturday that makes a week (繰り返し)

さて、ここからはレッスンに関係ない内容となります。英語や今流行りのフォニックスについて関心がある方を引き続き読み進めていただければと存じます。冒頭で「ベンチに座る」という話をしましたが、少し英語の豆知識です。「ベンチ」は日本語の発音通り「bench」と英語で表現しても良いのですが、今回のレッスンではより一般的な「seat」として、表現しました。この「seat」は、保育園や学校でいう自分の椅子をも意味するからです。「se」の部分の発音は/sí/とフォニックス的には記号化され、「シート」ではなく、「スィート」と発音されます。では、「シート」、つまりフォニックス記号的には/ʃí/と発音した際に、外国人に正しくその意図が伝わるかどうかということですが、残念ながら世間はそこまで甘くなく(笑/泣)、目の前にベンチ/椅子があって、それを指差しながら「シート、シート」と言えば伝わる可能性もありますが、もしそのような状況でなかった場合、「シート/ʃí/」と発音すると、100%「sheet」つまり、日本語で言う「敷布、シーツ、印刷物の中の一枚」の意味で取られます。当スクールでも、出席カードのことを「attendance sheet」と定義して運用しておりますが、この「sheet」と、先の「seat」は、日本人である我々にとって、発音的にはとても似ているものの、海の向こうの人達からすると全く違うものになってしまいます。

さて、この話から、「フォニックス理論の効果的な導入時期」、というテーマに発展させて考えると(このテーマについては、以前2019年度の総括 というブログの中で少し触れていますが)、現在当スクールの最年長である小学校3年生の生徒に対しては百歩譲ったとしても、未就学児の生徒に、「seat」のように「se」で始まる単語の場合は、フォニックス的には「sí」と表記されて「スィ」と発音され、「sheet」のように「sh」で始まる単語の場合は、フォニックス的には「ʃí」と表記されて、「シー」と発音されますよ、とこのように理論じみて教えることは、私は「too much」だと感じており、ずばりそうすべきではないと考えております。もっとシンプルに考えて、Mr.K先生がよく使う表現、子供たちが自分で英語で何かを発したいと思った際のその限られた単語・表現に関して、体験的に(聴覚的に)、英語だとどのように発音されるかを「耳で、舌で、口の動かし方」だけで感覚的に捉え、正しい仕方を覚えれば良いと感じております。

もう少し派生させて考えると、その子の学齢・歳相応で捉えた際の日常的に使われている英会話の90%をカバーするとされている単語を集めた、“サイトワード”というものがあります。参考URL(A) だったり、参考URL(B)
これはネイティブの英語教育のコンテクストの中でも、割と正しい・効果的と信じられている理論・考え方ですが、「sight」、つまりパッと見で子供が年齢相応に発音(聞き取る・理解)できるべき単語群のことです。私は日本人の未就学児・小学校の段階では、このサイトワードの考え方で英語・英単語を習得していけば良いと現状暫定的に結論を持つに至っております。私が中学生・高校生だった頃の残念だった点は、もちろんフォニックスを理論じみて教えられなかったのですが(それは別にいいのですが)、私がジャパニーズイングリッシュで(ばりばりのカタカナ英語)でスピーキングをしていても、少なくとも高校までの教師は誰一人としてそれを指摘してくれなかった、「その英語では海外では通じないよ!」と助言してくれなかったことがより問題だと感じており、この点はフォニックス理論を教えるのとは別のベクトルで、教師・指導者がより一層気を付けて指導であたる類のものだと感じております。

もう一つだけこの種のテーマで発展させていただきます。再度登場いただくことになりますが、以前2019年度の総括 というブログの中で、『現在日本の英語習い事業界でこの「フォニックス」が幼少期の英語学習においても流行りになっており、その一番の好例としては、例えば「cat」を「c」「a」「t」のそれぞれの音節に分解して、それぞれ一つずつでは、「k(=クッ)」「æ(=ェアッ)」「t(=トゥ)」と発音されるものだから、この3つが重なってになって、「cat(クェアットゥ)」という風になるという理論 (参考URL)にて、指導をしているスクールも多いかと存じます。』と申し上げております。この理論はここだけを切り取って見ると、確かに分かりやすく(恐らく小学校1年生でもわかった気になり)、「英語って実は簡単じゃん!」と思えるのかも知れません。でも例えば、「A/a」の発音を取り上げてみた際に、確かにアクセントが置かれた際に、その「A/a」は「æ(=ェアッ)」と発音をされることが多いのですが、それ以外にこの「A/a」は、take/make/bakeなどの動詞として使われ、尚且つ最後に「e」が来るような場合には決して「/æ/(=ェアッ)」と発音されるわけではありません。それどころか、全く違う「/éɪ/(=エィ)」と発音されます。それ以外でも「father」の際の「a」は上記の2つとも違った「/ɑ:/(=アー)」と発音されますし、「arm」のような後ろに「r」を伴う単語の場合は、それに影響されて「/ɑ:r/(=アーㇽ)」のように音の最後がこもる感じになり、つまり「A/a」は必ず「æ(=ェアッ)」と発音されると刷り込むものならば、少し成熟している小学生低学年くらいの子であれば、その法則が適用されないケースがあることに気づき、逆に混乱する可能性があります。であれば、敢えて『「c」「a」「t」のそれぞれの音節に分解して…』のような教えた方をする必要はなく、それに潔く束の間の別れを告げ、その子が「猫」が好きという気持ちをシンプルに捉え、猫の正しい発音の仕方を体験的に、口語的に教えてあげれば良いだけの話だと信じています。

皆さんはこのフォニックスやその効果的な導入の時期についてどのように思われますか。良ければご意見・ご感想をお聞かせください。