2020年8月30日のレッスンレポート

2020年8月31日現在
日時2020年8月30日(日)
場所長房市民センター体育館
参加者セッション(i) 15:00 -16:00 4名
セッション(ii) 16:00 -17:00 4名

レッスン内容(時系列)↓↓

#1 ストローク練習

#2 学習発表会の練習(前半)

#3 ストローク練習(2回目)

#4 学習発表会の練習(後半)

#5 ボール投げの練習

#6 クロージング



稲城本校が掲げるコロナ対策を徹底しながら6月7日より暫定的に開校して進んでおります。では早速各項目に入っていきましょう。

#1 ストローク練習

学習発表会に向けて本格的に練習をし始める時期になってきました。Mr.K先生はマイクやスピーカーを設置する必要がありましたので、その間親御さんにサポート頂き、ストロークの球出し基礎練習を行ってもらいました。つまり、上記写真の練習にはMr.K先生は関与しておりません(笑)。笑ってみせましたが、これは冗談ではなく、とても良い雰囲気の表れだと考えております。束の間私自身が指導に当たらなくても、親御さんが当スクールの指導方針をしっかりと理解してくれており、また、もっと大切な前提として、親御さんと生徒たちとの間には強い信頼感が醸成されているので、こういったことが可能になっております。

少し話は派生しますが、今の当スクールの強みは何と言ってもこの親御様の慈悲深いサポートです。私は最初はこのサポートに対して大変恐縮をし、自分の中でどのように落とし込むべきか戸惑うことがありました。でも今はその「恐縮」とは少し違って、親御さんも「子供の為」を想ってのサポートということであり、私と同じ方向性であると捉えることができたので、有難く受け取らせていただき、みんなで一緒に頑張っていきたいと考えております。とは言っても、本当に本当に有難いことで、感謝しております。

#2 学習発表会の練習(前半)

9/19の学習発表会は実に盛沢山の内容で、一見したらストレッチがかなり効いているのではと思う内容となっております。詳しくはプログラムを見ていただきたいのですが、簡単に言うと、①全部で5曲の歌・チャントを英語で歌う、②各自7~8個くらいのセンテンスで構成されるスピーチを英語で行う、そして③テニスの学習成果発表として、ラケット上でのボール突き(当スクールではball-tap)を披露するといったものです。各人の難易度に差を付けながら、4歳から9歳までの生徒が、力を出し合って一つの作品を作り上げます。

子供たちはマイク(microphone)越しに聞こえる自分の英語に最初不思議な感じを覚えましたが、途中からはマイクパフォーマンスも立派になってきました。チェックボックスを一つずつ埋めていく作業も達成感を感じられるようで子供たちの大好きな作業の1つです。ちょっとした工夫で、子供の動機づけややる気・集中力といったものは「操作」可能なのですね。


極めつけは鏡の前での発音練習です。英語の発音を効率よく学ぶ際に、口の動き方を自分で認識することがとても大切だと考えています。臨界期(※一説には10歳前後と言われています)に達する前の子供は耳が良いから、聞き流すだけで正しい発音ができるようになるという考え方もあると思いますが、私はその学齢の子供であってもより効率良く発音を学んでいく上では、口の動かし方を自分で意識することが大切だと思っております。この詳細については当レッスンレポートの後半で少しブログ風にして纏めてみますので、良ければそちらをご参照ください。

#3 ストロークの練習 (2回目)
私は学習における「分散効果」の有効性を信じております。生徒の学齢や、集団の雰囲気、学習内容の性質などの複合的な要素からどのくらい細かく分散をさせると効果的なのかの答えが見つかるはずですが、当スクールの生徒の学齢や、日々のレッスン内容を踏まえると、テニスと英語のレッスンを10~15分くらいずつで分散して配置させる、テニスの練習が続く場合もメニューという意味で分散させるということが、これまでの10か月の経験で効果的であると何となく分かってきました。従って、学習発表会の練習を一度切り上げて、再びストロークの基礎練習に戻りました。今回はMr.K先生も未就学児の指導に当たり、1回目の練習では未就学児を指導していた親御さんに今度は小学生のお兄ちゃん達の指導に当たってもらいました。指導者の配置も分散効果(子供にとっての心機一転)の一つのと考えています。

今回初めての試みではありますが、未就学児の横にビデオを設置して、球出しの様子をビデオ撮影してみました。球出しの距離が離れるに従い、子供にとっては難易度が上がり、ヒット率が下がっていくということ、これは至極当たり前なことではありますが、このようにビデオに収めて後から振り返ってみると改めて理解することができます。その子の発達・成長を考える上で、私がいつも考えていることは、学習理論で有名なロシアのヴィゴツキーが提唱した「発達の最近接領域」という考え方です。ヴィゴツキーは、「教育は子どもの現下の発達水準に基礎をおくのではなく、発達しつつある水準に基づいて行われるべきである」とました。私はこれをこんな風に言い換えて解釈しております。「その子の現在の状態から少しストレッチしたところに成長の焦点を置き、指導者としては効果的な働きかけ行う。そうした時に初めて教育や指導は有意味となる。」

話は少し変わりますが、私は今いる4人の生徒達からどのように思われているのでしょうか。実はこの種の問いを一度も聞いたことが無いのでその真意は分かりかねますが、決して甘いタイプの先生とは思われていないと存じます。毎週その子の「発達の領域」を効果的に(つまりは、加速度的に)伸ばしていくことを何よりも志し、それがその子の為になると信じてやっています。その意味では、「忙しい」や「欲張り」な先生なんて風に思われているのかもしれません。

#4 学習発表会の流れの確認(後半)

学習発表会の後半の演目としては、難易度の高い曲が登場し、尚且つ各人のソロパートも割り当てています。これは間違いなくストレッチが効きすぎていると言っても良いでしょう。にも関わらず、今回の一回目の練習では子供たちはMr.K先生の予想を遥かに上回る出来で仕上げてきており、本当にびっくりしました。ご家庭でしっかりと練習をされてきたのですね。こういった積み重ね(予習→レッスン→復習)が英語学習然り、全ての学習において有効です。引き続き楽しく無理せず頑張っていきましょう。

#4 ボール投げの練習
ボール投げの動作はテニスの基幹技術であるサーブに相通じるものがあるという理由で、当スクールではこのボール投げを重視して練習を続けてきております。今回は後半の時間を使って、実際にラケットを握ってサーブの練習を行いました。「Chop Grip」で握って、小指から振り上げて、肘の根元くらいか捩じっていく、所謂「プロネーション」と言われる動かし方を丁寧に確認しました。未就学児であってもこのAuthenticなラケットワークにてサーブを習得していくことをひとまず目標としております。

#5 ゲーム練習
残り20分あったので、親御さんにご協力いただき、半面で仕切って、2面展開でゲーム練習に充てることにしました。Mr.K先生はその間、子供たち一人ひとりを呼んで、英語スピーチの指導に当たりました。小学生のお兄ちゃん達が10回以上はラリーが続くようになってきています。ラリー回数が増えることが嬉しいようで、それを現在の動機付けにして頑張っているようです。それはそれで立派な「内的動機付け」と評価してあげたいのですが、そこばかりに目がいってしまうと、ラリー回数が重なっていく度に、「over the net」だけを意識し、どうしてもラケットスイングが強張って(小さくなって)しまいます。ある親御さんがその点を踏まえ、いつも通りのスイングでコンスタントに続けることを指導していただきましたが、当方もその通りだと考えます。現状維持ではなく、これからも高みを目指して頑張っていきます。

#6 クロージング
何よりも嬉しかったことは、子供たちに学習発表会に対して「Nervous」か「Excited」かを一人一人に確認したところ、みんな「Excited」でした。私はこの「Excited」という単語が、恐らく英語の形容詞の中で一番好きです。子供にはいつもこの心持ちで日々過ごしてもらいたい、また、当スクールのレッスンに通って来てもらいたいと願ってやみません。また、私も自分の人生に対して、この「Excited」という気持ちをずっと持って歩んでいきたいと思っております。

<Mr.K先生が清潔感を失うという大きなリスクを冒してまで、髭を生やしている理由>
上記質問の答えですが、それは「生徒の発音の向上」の為です。レッスンレポートの文中でも少し触れましたが、英語の発音を効果的に体得していく上で、正しい口の動かし方を覚え、それを意識して発話することがとても大切だと考えます。その為の第一ステップとしては、ネイティブスピーカーで、口の動かし方が割と大げさで分かりやすい方を見つけ、その人の口の動かし方をひたすら見る→真似る→盗むが良いと思います。私も実は自分が英語を発する時に、脳裏には2-3人くらいの外国籍の知人の口の動かし方を無意識的にイメージしながら話しています。これは本当です。具体的には下記3人を思い浮かべます。

  • 一人目:もともとはロシア人で、中学校からカナダに渡って今はカナダで生活をしている男性です。彼とは私が交換留学したフランスにて出会いました。カナダ人の英語の発音は、イギリスやアメリカ、オーストラリアと比較してニュートラルで訛りが少ないと言われております。かつ、彼は中学校からカナダに渡り当初英語に非常に苦労をされた経験があり、当時の私に対してとても親切に英語を話してくれました。彼とは親友と呼べる仲にまで発展し、日本にも遊びに来てくれた時に、1か月に及ぶ日本1週のドライブ旅行をしました。彼の一つ一つの英語の発音や口の動かし方を、私は視覚的情報として長期記憶に落とし込んでおり、いつでも蘇らせることができるようになっています。

  • 二人目:シンガポール人男性で、彼とも私が交換留学したフランスにて出会い、その後親友と呼べる仲にまで発展しております。シンガポール人の英語の発音は、彼ら自身が「Lazy English」と自嘲するように、シンガポール人同士の仲間内で英語で会話をする際に、所謂「Singlish」と言われる「Broken English」で喋ります。これは「Phonics」の正しい発音からすれば少し手を抜いた感じの響き(口の動かし方)になっています。しかし、大学のフォーマルなプレゼンテーションの場などでは、シンガポール人は「Phonics」の正しい発音を意識して臨んできます。何が言いたいかと言うと、私の友人もフォーマルな場ではそれこれ”素晴らしい”発音にて喋るのですが、その際の彼の日頃との変わり様が私にとっては実に新鮮で、彼の口の動きもばっちりと私の長期記憶に視覚的情報として落とし込まれております。

  • 三人目:アメリカ人男性で、彼とは前職で知り合いました。彼は幼児英語教育を生業としているのですが、その意味でゆっくりと、はっきりと英語を喋ります。彼は「Phonics」の教育にも力を入れており、それこそ子音と母音を分解して単語を捉え、子音もしっかりと発音をしてくれるので、私がこれまで出会ったどのアメリカ人よりも聞きやすい英語となっています。彼とも沢山の時間を共有し、いつも真剣に向き合ってコミュニケーションしてくれるので、視覚的情報とともにしっかりと脳裏に焼き付いております。

  • 話は戻りますが、私は当スクールの子供たちにとって、私自身が、彼らの発音におけるモデルテーチャーになれればと願い、常に「これでもかっ!」てくらいに、口・舌の動かし方をドラマチックに行っております。この方針は開校当初に掲げた指導方針にも載せておりますが、日本人である私であっても「ゆっくりと話すという文脈」においては、正しい口の動かし方・発音を体現できると信じております。そういった気持ちで10か月ほど子供たちと接してきてはいますが、子供たちにもっと自分の口の動かし方を見てもらいたいと願い、この度、髭(口髭はmustache、あご鬚はbeardと英語では区別します)を生やすことを決意しました。「清潔感」が何よりも大切なインストラクターにとって、この決断を下すまでにある程度のジレンマがあったことは事実です。現在私は平日はサラリーマンとして営業職をしておりますが、このコロナ渦でお客様との商談時はマスクで隠せることから、髭が生えていても気づかれずに来れているということを最後に付け加えておきます。

    今回はこれで以上です。
    Mr. K