2021年1月23日のレッスンレポート

2021年1月30日現在
日時2021年1月23日(土)
場所川口市民センター体育館
参加者セッション(i) 17:30 -18:30 3名
セッション(ii) 18:30 -19:30 3名

レッスン内容(時系列)↓↓

#1 ウォームアップ

#2 基礎練習

#3 障害物競争 / Hurdle Racing Game

#4 ゲーム練習/Show & Tellの練習

#5 クロージング



稲城本校が掲げるコロナ対策を徹底しながら6月7日より暫定的に開校して進んでおります。では早速各項目に入っていきましょう。

#1 ウォームアップ
昨年の最後のレッスンからかれこれ1か月空いてしまったので、生徒のみんなや親御さんに会えることをいつも以上に楽しみにしておりました。残念なことに一人の生徒が今年の12月まで休会になってしまいましたが、また戻ってきてくれるその日まで、現状の生徒とますますパワーアップをしていきたいと思っています。英語のフラッシュカードを使って、Verb(動詞)をいくつか覚えたり、椅子取りゲーム(Chase-the-Chair Game)をして盛り上がりました。

#2 基礎練習
今日は体育館を2/3面で使用することができましたので、2面展開で行いました。Mr.K先生とある親御さんの2名で指導に当たり、昨年から続いている個別指導で、ストロークだけでなく、ボレーやスマッシュなどの他スキル習得も同時に目指していきます。このように満遍なく指導をしているのには訳があります。

第一に、子供たちが1年間このスクールに通ってくる中で、「テニスとは何か」というものをそれなりに分かってきており、ストローク、ボレー、スマッシュを同時並行で練習をしたとしても、混乱無く受容できるようになっています。
第二に、集中力を続けさせるための分散効果を狙っています。同じメニューを繰り返すと子供だけでなく、大人であっても所謂「マンネリ化」が生じますよね。
第三に、以前、運動神経は遺伝?それとも学習で向上するの?でも述べましたが、「臨界期と言われる10歳前後までの間に、色々なスポーツに触れさせ、様々な身体器官を使用し、それに付随する交感神経を刺激することが良い」と謳っているスキャモンの理論を紹介しました。私もこの理論について体験的に(経験的に)には同意をしており、であれば、当テニスレッスンの中でこの理論を最大限運用できないかと考えるわけです。

その意味で、例えばストロークの球出しだけを2時間ただひたすら行うとすると、その子の目線は腰の高さに固定され、使う肢体の部位も限られて、付随する交換刺激も最初こそ刺激されると存じますが、5分もしたらその刺激の感度が鈍ってくるのだと思います。そこで、フットワークの練習や、Ball-Tapのようなラケットワークの練習、そしてスマッシュやボレーといった違う技術の取得を織り交ぜることをしています。特に、頭の上の空間認識力を高めることができるスマッシュやサーブは、普段全く使わない空間であるが故に、交換刺激を最大限刺激するのではと予想しています。

#3 障害物競争 / Hurdle Racing Game
いつも通り障害物競争を行ったのですが、今回の競争相手は、「Team Adults」ではなく、自分で設定した目標タイムです。話は少し脱線しますが、子供たちがこれから小→中→高→大と教育機関を経る過程、またその後社会に出た後でも、基本的にこの「競争」という言葉からは逃れることはできないでしょう。私はこの「競争」という言葉、漢字にしてしまうとどうもネガティブなきらいを感じてしまい、あまり好きではありません。「競って、争って、他者の上にいく・・・・」そんな感じを受けます。では英語はどうでしょうか。その翻訳語としてよく言われるのは「Competition」です。動詞の「Compete」が「競う/争う」と訳される訳ですので、その名詞形の「Competition」も日本語の「競争」と同じで、そこに比較対象としての「他者」を想定した、相対的な評価での優劣を感じさせます。

私は自分の子供を含め、ご縁があってこのように関わらせていただいている生徒たちに、「競争」の意味を少し違った角度で捉えてもらいたいと思っており、それを指導者の責務とも感じています。そしてその暫定的な答えとして、「競争」を相対的ではなく、絶対的な評価で捉えること、また、英語の訳語を当てはめるのであれば「Competency」を当てるということになります。もう少し詳しく説明を試みると、小中の義務教育の初期段階では、基本的には自分で決めた目標に対して到達度、としての絶対評価をしていけば良いと思っており、周りの子供や何かの基準に対して相対評価をする必要はないと思っております。そういった中で、自分のやりたいことや夢、その子の特性や興味が少しずつわかってくると思います。高校や大学の、教育段階でいう後半に入ってからは、自分の「強み」を育てていくことに専念すると良いと思っています。その「強み」というのが、先述の「Competency」であり、敢えて訳すのであれば「能力・技量・熟練」といった感じになります。自分の叶えたい夢や興味があることをベースに、それに向かう熱量を、社会や世の中に貢献できる「カタチ」や「文脈」で捉え直すというイメージです。従って、このタイミングから自分で決めた目標への到達度ではなく、その成果物の享受者となる「社会」を意識した目標設定と、そういった基準での「評価」が肝心となります。

話はもう少し脱線しますが、私が新卒で入社した会社は日系の大手メーカー企業でした。そして、次に転職をした会社はアメリカの大手メーカー企業の日本法人でした。私はこのように若くして2つの大企業の企業文化を、身を以て体験することが出来たので、その違いを大変印象深く感じることができました。(当時の話で今の状況は定かではないのですが、)日本の会社は、「競争」を「Competition」で捉えていたのに対し、アメリカの会社「Competency」で捉えていたのだと思います。日本の会社は、シェアが低い商材のシェアを上げることを目標に掲げ、例えばM&Aを繰り返していきました。また、シェアが下がってきている商材のシェア奪還を目指す上で、販売価格を下げるという戦略を掲げ、、自らコスト競争のスパイラルに入っていきました。

その後外資系に転職して、アカウントマネージャーという、日本で言うと営業職とプロジェクトリーダー職の中間のような期待役割を背負って、顧客のビジネスをデベロップしていくことを行おうとしましたが、上司やチームの同僚から、私が前職の7年間の間で知らずの内に身に付けたそういった姿勢に対して指摘されることが多々ありました。

  • 「自分たちの「強み」を先方にちゃんと説明し、理解してもらっていますか?」
  • 「どうしてそんなに簡単に値引きをしようとするのか?」
  • 「値引きをしないといけないということは、自分たちの「Core Competency」で戦える領域ではなく、無理をして入ろうとしている領域ではないのか?」等

  • こういった経験を2年ほど積ませていただき、2つの企業文化の違い(日系と外資系の違い)を良い部分も悪い部分も含めて理解することができました。

    そんな今の私が、この「競争」を日本語の文章で説明してみると、「自身が得意な領域で価値を出し、自身が得意でない領域では無理に入ろうとしないで、他者に委ねる。」といった感じになり、これは社会に出る前でも後でも基本的には同じであると思うようになっております。

    #4 ゲーム練習/Show& Tellの練習
    引き続き二面展開にてゲーム練習を行い、休憩の生徒には、もう一人の親御さんに「Show & Tell」の原稿づくりを、子供一人ひとりと行っていただきました。今年の3月の最後のレッスンでは修了式を行いますが、そこでは「Show & Tell」のスピーチをしてもらう予定です。自分の好きな「モノ」を実際に持って、それについて紹介をするのですが、これをただ単なる発表と捉えるのではなく、「スキル」と捉えてもらいたいと思っております。持論ですが、アメリカ人はこの「Show & Tell」の「スキル」に長けており、それを一つの要因として、これまで、ビジネス・政治・エンタメといった多くの領域で国際的にも主導的な役割を担ってこれているのだと思います。ここら辺については、次回以降のレポートで深堀をしようと思いますが、子供の内からこのスキル習得を行うことが大切と考えています。

    #5 クロージング
    この場を借りて、コロナ対策のお話を少しさせていただきますが、二回目の緊急事態宣言が発令されて、またそれが延長をされようとしております。施設の利用は現在可能となっているため、それが続く限り運営を継続していく所存です。指導者としてはより一層感染対策をして参ります。現在の生徒の学齢(5歳から9歳)ぐらいの子供における学びというものは、長い目で焦ることなく見るべきだと思っております。たとえ、一時中断になってしまっても気を臆することなく、オンライン等も活用して工夫をしながら乗り越えていければと思っております。

    最後に今回ウォームアップの中でストレッチをし、その時に、「柔軟性があるとテニスに有利に働く」とお伝えしましたね。また、その代表選手として、長年世界ランク1位に座りつづけたセルビア出身のノバク・ジョコビッチ選手の写真を紹介します。彼は今でも現役選手として活躍されております。


    引用元:https://www.youtube.com/watch?v=yLBcWNSH800

    今回はこれで以上です。
    Mr.Kより