2021年2月6日/11日のレッスンレポート

2021年2月14日現在
※稲城本校が掲げるコロナ対策を徹底しながら6月7日より暫定的に開校して進んでおります。
※今回のレポートは、直近2回分のレッスンレポートを纏めた形となります。但し、それぞれのレッスン内容は深堀せず、何故「Show & Tell」のスキル習得が大切かについて、後半に持論を述べさせていただきます。


日時2021年2月6日(日)
場所川口市民センター体育館
参加者セッション(i) 15:00 -16:00 3名
セッション(ii) 16:00 -17:00 3名
日時2021年2月11日(木)
場所中野市民センター体育館
参加者セッション(i) 17:30 -18:30 3名
セッション(ii) 18:30 -19:30 3名
両日とも同じレッスン内容

レッスン内容(時系列)↓↓

#1 warm-up

#2 基礎練習/Show&Tellの練習

#3 Play time (鬼ごっこ・フットワークの練習)

#4 課題曲の練習 (Climb Every Mountain)

#5 ゲームの練習



「Show & Tell」のスキル習得が大切なワケ
「Show & Tell」は子供たちが今後、学校社会や実際の社会に入って、サバイバル(成功)していく上で必要なスキルとなっており、このスキルの習得を早めに行うと良いと思っております。というのも、スキルの習得は多くの場合メンタルの醸成にも影響をするので、所謂多感期に当たる児童期・青年期に行う方が、自我が確立された大人のタイミングになって行うよりも、色々な意味で有効だと感じております。それでは下記①②③の観点で、「Show & Tell」が何故日本人の児童・生徒にとって早期獲得が必要かについて持論を展開していきます。※ちなみに、この「Show & Tell」ですが、文部科学省の学習指導要領の中でも、この言葉通りで登場しており、公式的にもその重要性が叫ばれるようになってきました。

① 「主語」が「I」なのか「You」なのか
まず、「Show & Tell」とは何かについて、簡単に説明をすると、アメリカの教育現場でも大いに活用されている児童・生徒のプレゼンテーションのスキルを高めるトレーニングでございます。これ以上の詳細は例えばこちらの記事に委ねますが、子供が何か実際の「モノ」を持って、それについて説明をするといった感じです。また、そのプレゼンを聴き終わったオーディエンス(子供たち)は、発表内容について質問をします。話し手の子供は自分の関心ある「モノ」について沢山質問を受けることで、ますます愛好を深めたり、より深く理解をすることができるという+αの効果もあると思っています。

「主語」が「I」なのか「You」なのかの話ですが、これは文字通り「I」です。自分自身が好きな「モノ」、他人にはどうかわからないものの、自身にとっては大変意味がある「モノ」について、他人の時間をわざわざ頂戴して説明をしていくのですが、この種の考え方について、日本社会(日本の学校も含めて)は、どこかのタイミングから少しネガティブに捉えられる風潮があります。例を挙げると、授業中に質問をする際に、自分の質問は、クラスの同士にとっても意味がある質問なのかと考えすぎてしまい、結局手をあげることができないというケースです。私自身もこういった感覚が残念ながら中学校くらいから付いてしまい、自分が聞きたいことや、言いたいことを我慢することが多くなっていました。

大学に入って、多国籍の留学生と一緒に肩を並べて勉学に励むようになって驚いたことは、留学生が質問をする際の時間の尺であったり、質問の目的です。それは日本のものとは全く違ったシステムであり、メンタリティーでした。

日本では、「先生、聞き取れなかったのでもう一度言っていただけますか?」とか、「○○教授、それって○○という理解の仕方で合っていますでしょうか」なんて言う感じで、長くても10秒の尺で、そうすることの目的としては「依頼」や「確認」であり、その質問があるが故に、教師のレッスンプランの進行に影響を与えるようなものではないです。従って、基本は教師から生徒へのOne-Wayコミュニケーションで構成され、テキストブック(教科書)に沿って、計画的に進んでいきます。

一方、私が経験した大学におけるグローバルでのスタンダードは、生徒が教授に質問をする際は、むしろ「意見交換」という感じになります。敢えて台本にしてみるのであれば「○○先生、△△について、自分はこのように思います。なぜなら××だからです。つまりは、この教科書で示されている方向性とは少し違った感じであると存じますが、〇〇先生、この点いかが思われますでしょうか」なんて感じです。まず一番のポイントは、教科書やそれを参考に授業を進める教授の意見よりも、自分がどう思うかを大切にしており、それを言って見せることに対して何の抵抗も感じていないということです。この種の質問をする生徒はおおよそ5分くらいは優に尺を使いますので(笑)、私なんかはその教授の事前に計画してきたレッスンプランの進行に支障をきたさないかなどといった視点で不安になってしまうのですが、教授も真剣にそういった質問に向き合います。周りの留学生(学生)の表情も覗いたりしましたが、みんな私の焦燥感とは全く違い、その生徒と教授の意見交換を楽しく拝聴し、きっと自分自身が持っている考え・意見にも関連をさせながら何か学び取ろうとしていようでした。

纏めになりますが、目の前の人が「心を動かされる」のは、総じて話し手自身の「感情」によってであったり、「意見」であったり、そういった「ユニークなもの」であります。「事実」であったり、「テキストのなかからの引用」であったり、「世論」からでは、繰り返しになりますが、人の心は動きません。私には息子(7歳)と娘(3歳)がいます。息子は既に「空気を読む」ようになってきましたが、娘は引き続き主語を「I」において、好き放題やっています。息子にはもう少しわがままになって、「I」の視点を発揮して欲しいと思ってしまうわけです。息子が「I」の視点で向き合ってくれたときに、私は息子と意見交換をすることで、息子がその「I」の視点を大切に保ったまま、多角的な角度で、かつ深い理解度で自分の意見をますます形作っていってほしいと願うわけです。「Show & Tell」のスキル習得を通じて、そういったメンタリティーの醸成をしていければと思っております。

② 視覚情報や具体的情報の説得力
よく喋り過ぎる人がいますが、その人は至って多くの方の支持を集められないで終わっています。抽象論を語る場合には、特に長くなりすぎないように注意した方が良いでしょう。その救世主となるのが、視覚情報であったり、具体的情報です。「百閒は一見にしかず」とありますが、これは私のこれまでの34年間の経験からして、世界共通で通用する心構えです。具体的情報も、相手がそれを望んでいる場合、非常にパワフルで相手の関心を引き寄せます。

これを強く感じる経験をしたので、少し共有させていただきますが、私が新卒でお世話になった会社での実際の経験談になります。年に1回、各国の販社が一堂に会し、その国・地域での販売概況やマーケティングの成功例を報告するコンベンションがありました。もちろん使用言語は英語です。2016年のそのコンベンションは、イリノイ州のシカゴで行われ、私は当時中国市場におけるマーケティングの責任者をしておりましたので、中国での実績などを報告しに会場まで行き、プレゼンを行ったわけです。私の英語力は当時そこまで高くはなかったため、また、プレゼンをする際には資料をスライドで流しはするものの、数字や事実を発表するという感じで、何か「モノ」を見せながら、ということではなかったので、自身のプレゼンに対して、自己評価としてあまり良いパフォーマンスをすることが出来ませんでした。(※アメリカ人の同士はそんな形式でも実にドラマチックにやっており、人一倍オーディエンスの注目を集めていました。)

但し、これには話の続きがあって、折角中国からアメリカまで出張をしたので、アメリカの営業の方にお願いをして、隣の州にあたるウィスコンシン州に本拠地を持つ某エンド顧客に商材の提案に行くアポイントを取ってもらい、一緒に向かうことになりました。当時の私が在籍していた中国支社は、営業だけでなく製造も担当するコア拠点でしたので、商材の提案以上に、品質面をアピールする製造寄りのコンセプトでプレゼン行ってみようと考えました。その結果、私のつたない英語に対して、先方の3人が前のめりになって傾聴してくれたことを今でも覚えています。その際は、先方の商品の最終品質チェックをどのように行うかを、実際の試験器具を持参して、机上で説明をしたため、先方の視線は器具や私の手元に落とされており、私の口語英語を補助的にして理解に役立ててくれました。この時ほど、視覚情報や具体的情報の強みを切に感じたことは、それまでも、そしてそれ以降もありませんでした。

③ 「I」から「You」への視点調整
これまでの議論を踏まえてる上記③のタイトルは少し矛盾に聞こえるかもしれませんが、年齢が上がると共に、やはり「I」から「You」への視点に調節できるようになることが必要になってくるんだと思います。例えば、社会人になって、自分(自社)の提供するサービスを、相手(他社)に享受してもらう際には、もちろん「Show & Tell」の形でプレゼンをすると思いますが、相手のニーズを踏まえた提案になっていることが大前提として大切です。但し、やはりこれはバランスの問題で、「You」に寄りすぎてはWin-Winの提案はできません。「I」がしっかりしている人が、「You」の状況を正しく理解した際に、初めてWin-Winの提案ができるのだと思います。従って、私もこれまでの12年の社会人生活のなかで、例えば「誠に恐縮ですが。。。。」や「お時間がある際に。。。。」などど、社交辞令としてこういった枕詞を添えて提案書をメールで送ったりしますが、本当に先方の為になると思うのであれば、「聞いていただいて損はない情報です。是非一度早めにご提案に上がらせていただきたいです。」といった感じで、対等にアポイントを取得すれば良いと、それが例えこの日本社会であっても最近ではそう思うようになっております。

今回は以上です。
Mr. K