自身の経験

Phonicsの習得が遅れたために自身が苦労した話

早速表題の件ですが、私は「Phonics」をもっと早くに勉強しておけば良かったと、とても後悔しており、子供たちには同じような後悔をしてもらいたくないと強く思っております。

私は中学生から英語を習い始めました。
そこから大学に入学をして3年次に海外留学をするまで、私は正しい発音をあまり意識するように動機付けられてこなかったと振り返ることができます。
そもそも当時は「Phonics」という指導方法もそこまで有名でなかったため仕方なかったのかなとも思いますが、とにかく当時は発音に関するちゃんとした知識や意識付けがないまま、英語をひたすら覚えていく感じでした。単語を覚える際も何となく適当に音声を当てはめて語呂で覚えていました。単語テストの前は一夜漬けで何とか覚えられるのですが、暫くすると「あれLだっけ/Rだっけ?あれOだっけ/Uだっけ?」みたいな感じで似通った発音をする文字間でのスペルミスが起きてしまうといった感じでした。
そうは言っても英語は好きな科目の一つで時間をかけて勉強していたので、受験英語でひたす単語や文法を覚える学習方法にて、そのまま長文読解もこなせるようになり、大学2年次くらいまでにはひとまずTOEICが940点といったレベルまで英語力を伸ばすことができました。しかし、実際の場でのスピーキングやコミュニケーションには引き続き大きな困難が残っており、また自身の発音も所謂「ジャパニーズイングリッシュ」と揶揄される典型的な日本人の英語発音でした。
私はこの時点でもまだ、なぜTOEICではほぼ満点なのに、実際のコミュニケーションにて困難が残るのか、その答えを見つけることができておりませんでした。

大学3年次に交換留学で1年間海外に移り住んだ際には、自身の弱点である“実際の場でのリスニングやスピーキング”が、ネイティブの留学生はおろか、英語を第一言語としない留学生と比較しても遥かに劣っているということを強く認識させられることになりました。
この気づきは非常にショックでした…。
「読み・書き」だけの英語ではなく、「話す・聞く」としての英語をもっと鍛えていかないといけないと強く実感させられました。
なぜ私のスピーキング力は大きく劣っていたか。それは当時の私には「Phonics」の体系的な知識が欠如していたために、単語一つ一つを正しく発音できておらず、また英語特有の舌の動かし方もあまりできておらず、そういったことが相手に自身の英語を理解してもらうことを難しくさせていたのでした。
具体例を挙げると、アルファベット「C/c」の発音は海の「Sea(スィー)」と同じ発音なのですが、私はそういったことをあまり意識・理解していなかったので、「C/c」の発する際に、時には「彼女」はという意味の「She(シー)」の発音で平気で間違った発音をしていました。
よく指摘された他のケースは、私の「V/v」の発音は「B/b」の発音と非常に近かったようで、自分もその違いを意識して使っていなかったため、例えば”I drank a lot last night so I overslept this morning.(=昨夜飲みすぎて今朝寝坊した)”といった感じで笑いを取るために発した一言も、後半箇所が oberslept と「B/b」発音に聞こえてしまい、結局に何を言ってるか伝わらず、「笑い」を取るはずが「??」を生じさせる結末となってしまいました。
また、アメリカ人の優しい友人に私の「A/a」の発音は本来の正しい発音ではなく、口をもっと横に開いて、頬の筋肉を使って発音すると教えてもらいましたが、それ以降、水を得た魚のように、少しだけ「A/a」の発音が好きになったことも今では良い思い出です。

こういった感じで、自身の発音に関して、幸いにも指摘を受けた場合には一つ一つ修正していったわけですが、振り返ってみても誰一人としてこの「Phonics」という体系的な発音のルールがあることを教えてくれたわけでなく、私の発音への理解やその都度の修正はいわば断片的・個別的なもので終わっておりました。

また、リスニング力に関しても、ネイティブの外国人留学生が話す英語のスピードが、自身にとっては大変速く感じられ、あまり理解することができませんでした。
リスニングからのインプットが少ないことから、自身のスピーキングが改善されるという波及効果も十分生じず、停滞状況が長らく続きました。
この困難から這い上がるために私が取った対策としては、英語を話すスピードが比較的ゆっくりな友人(多くの場合はそれはノンネイティブの友人でしたが)との会話を大切にし、彼らの発音・英語のデリバリー仕方を見よう見まねで真似ていき、自分の発音やイントネーションを矯正していきました。
当時オンラインの英語学習サイトはまだそこまで種類が多くなかったのですが、たまたま発見したニュースを0.7倍速くらいで英語で読み上げるサイトも重宝しておりました。
また、各授業の予習には十分に時間を割き、その授業で取り上げられる専門用語やトピックに関する英単語・英語表現をリーディングの観点からしっかり頭にいれ、実際の授業ではそういった英語が教授や各国からの留学生によってどのように発音・発話されるかを目を食い入るようにして観察していました。
私自身もたまに発言をするわけですが、その際教室の時計の針が0.7倍速くらいにゆっくりと静まる感じが、自分でも肌を通じて実感でき、毎回嫌な汗をかいていたことは言うまでもありません。

とにかくこういった地道な作業の繰り返しの結果、留学を終えて1年後に帰国する頃までには、リスニング力やスピーキング力、英語特有の発音や舌の動かし方に関して、ある程度の自信を持つことができるようになりました。

その後社会人になってからは、学生のときほど自身のリスニング能力や発音に劣等感を感じることなく、仕事の範囲では特に大きな問題を感じることなくきており、かれこれ10年になります。
そしてこの直近一年の中で改めて英語を学び直してみようと思ったことをきっかけに、私は漸く、遂に、この「Phonics」という理論に出くわすことになりました。
最初は「なんだこの理論は!?」と、大きな驚き同時に、英語でいう”upset”に近い”困惑”を覚えました。
そしてその次の瞬間に押し寄せた感情は、「私はこのルール・理論を特に体系的に学ぶことなく、これまで現場で、独学で、肌感覚で、ある程度この「Phonics」に沿った内容で英語を上達させてきてたのか」といった自分の才能に対する一種の称賛でした(笑)。
私は現在失われた時間を取り戻すように、本の虫ならぬ「Phonics」の虫として、精力的にこの理論・ルールを勉強しています。
あの時かの優しいアメリカ人が言っていた頬の筋肉を使って発音する「A/a」の音は、発音記号でいう所の、/ǽ/の音のことで、これが最もメジャーな「A/a」の音だから、敢えてこの音だけに注目し、発音し方を教えてくれたのだと悟りました。また「A/a」はこれ以外にも複数発音の仕方があり、例えば「e」で終わる「take・make」のような単語の場合、その前にある「a」は、ローマ字読み通りに/ei/という音声になる法則だとか、アクセントが置かれない時の「a」は所謂曖昧母音/ə/で曖昧に発音される法則も遅ればせながら30歳を過ぎてから学ぶことになりました。(※曖昧母音の例として、例えば「Japan」という単語は、後ろの「a」にアクセントが置かれるので、後ろの「a」は/ǽ/で発音されるのに対し、前の「a」は曖昧に/ə/で発音されます。)
纏めになりますが、この「Phonics」に関し、自身の経験を踏まえても合点がいくことが大変多く、是非これから英語を学び始める子供たちには最初の段階から意識してほしいと思うようになっています。
この学習法は発音を正しく行う上で、またスペルを効率よく覚える上で大変有用です。
私もよくスペルミスをするGorillaやSquirrel、UmbrellaやAvailable、DefinitelyやPharmaceutical、PhsycologyやSupercalifragilisticexpialidociousなどを、改めて 「Phonics」のルールに基づいて正しい発音と綴りの関係にて捉え直した結果、以前よりもスペルミスをすることが少なくなりました。

もっと早くに「Phonics」を知っていれば、もっと早くに英語を使いこなせる国際人になれていただろうにな…/しなくてもよかった”苦労”の量を減らすことができただろうにな…/留学先での週末、ダウンタウンに遊びにいく優秀な留学生を羨望の眼差しで見送り、一人キャンパスに居残り予習・復習に精を出していた自分とは何だったのだろう….

この種の後悔をこれからの子供たちには絶対にしてもらいたくない、という気持ちから、当スクールでは、この「Phonics」に基づき、子供たちに対して正しい発音にて、とにかく丁寧に・ゆっくりと話すことを最重要の心構えとして指導にあたります。
そして英語と日本語は発音し方(=口や舌の使い方)が大きく異なることを、 実体感をもって気づいてもらうことも大切で、子供自身の発話も可能な限り促していきます。

Have a nice day with your beloved family and friends. Sincerely, Kei

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